事件の報告を受けた検事・霞夕子(沢口靖子)は、家族との約束を返上して現場にかけつける。被害者・黒田光彦(高濱正朋)の死体には心臓と腹部に刺し傷があり、ナイフが刺さったまま。その後の調べで、心臓と腹部を刺したナイフが同一のものではないことが発覚した。しかも腹部の傷は死後つけられたものだとわかる。夕子は黒田についてさらに調べを続ける。黒田は二年前、バイクひき逃げ事故を起こし8歳の女の子の命を奪った。黒田は脱法ハーブを使用していた疑いもあったが、服役後、被害者の遺族たちが住む場所からほど近いアパートに再び戻って生活していたのだった。夕子と桜木(西村和彦)は事故で命を落とした少女の母親、三吉和佳子(須藤理彩)に会いに行く。三吉夫婦の家には、黒田は一回も謝りに来ることはなかったという。そんなとき、黒田の向かいの家に住む占部警部(神保悟志)の甥、勝男(藤山扇治郎)から、怪しい人間を深夜に目撃したと聞き出した夕子。一方、事件現場にほど近いパチンコ店の防犯映像には、ある初老の男性、重倉(三浦浩一)とぶつかり、彼を殴り飛ばす黒田の姿が映っていた。重倉は黒田に向かって「殺してやる」とつぶやいていたという証言も得られる。事件の犯人は一体誰なのか。そして何が人々を狂わせたのだろうか…。