昭和20年7月初頭。すでに敗戦の色濃いころ、瀬戸内海の特別基地で柿田中尉(葉山良二)、黒崎中尉(石原裕次郎)、久波上曹(杉幸彦)、今西一曹(長門裕之)らの若き“回天”特攻隊員は連日、必死必殺の猛訓練にいそしんでいたが、出撃を間近に控えて彼らは故郷へ帰る。そして柿田少尉は許婚の玲子(左幸子)と、久波上曹は小学校の教え子や滝先生とだるま船の我が家に帰った今西一曹は病身の弟(津川雅彦)らの家族と空襲で両親を失った黒崎中尉は妹の洋子(芦川いづみ)と最後の別れ一時を惜しむのだった。7月18日早朝。橋爪艦長(森雅之)の指揮する潜水艦伊号五八は、柿田少尉ら四人の回天特攻・多聞退院を載せて海上や陸上からの歓声のなかを“非理法権天”“宇佐八幡大武神”に2旗をひるがえしながら出港するのだが・・・。