政治色の強いテーマを独特の手法で描き、世界的に評価される鬼才・若松孝二監督。「17歳」というキーワードを軸に“人間・若松孝二”に切り込むドキュメンタリー。激動の1960~70年代、ピンク映画ながら政治色の強い数々の作品を作り、全共闘世代に絶大な人気を誇った映画監督・若松孝二。近年でも『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008年)、『キャタピラー』(2010年)が世界で高い評価を得るなど、その作品世界は唯一無二のものとなっている。そして昨年、再発のがんを患った若松が“人生最後の作品”のひとつとして取り組んだのが『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』であった。自らと向き合い、キャリアに“オトシマエ”をつけようとする若松。『11・25ー』に至るまでの作品群の中から見えてくるのは「17歳」というキーワードである。彼の作品が観る者に与える強烈な印象、描かれる歴史事実、周囲の雑音…、それらすべてを取り払ったときに残る「人間・若松孝二」そのものに迫るドキュメンタリー。