1966年6月、静岡県で味噌会社の専務一家4人を殺害・放火した事件が起きる。その犯人として逮捕された30歳の元プロボクサー・袴田は、無実を訴えるも裁判所、そして世間からも黙殺された。死刑囚として東京拘置所で過ごした78歳の彼は、明日突然、死刑が執行されるかもしれない恐怖の日々をくぐり抜け、2014年3月に突如釈放される。本作では監督・笠井千晶が自らカメラを回し、半世紀近く引き裂かれていた袴田と姉・秀子の生活を記録。対話を重ね、彼の心の内面深くに迫っていくドキュメンタリーだ。笠井は、袴田と司法の戦いの軌跡を約22年前から現在も記録し続けている。なお再審判決は9月26日に行われる。