精神病院を経営する溝呂木省吾(天本英世)の元を、かつてナチスで同志だったがブルッケンマイヤーが訪れる。彼の所属する秘密結社は溝呂木の組織する「大日本人口調節審議会」への仕事依頼を検討しているという。「審議会」は人口調節のために無駄と判断した人間を秘密裡に殺すことを目的としており、溝呂木は入院患者たちを殺人狂の殺し屋に仕立て上げていたのだ。ブルッケンマイヤーは仕事依頼へのテストとして電話帳から無作為に選出した3人の殺害を要求した。殺害対象の1人として指名されたのは犯罪心理学の大学講師 ・桔梗信治(ききょうしんじ、仲代達矢)。水虫に悩む冴えない中年男である。桔梗は自宅アパートで「審議会」の刺客である間淵という男に命を狙われるが、偶然にも返り討ちにしてしまう。警察にこの件を届けた桔梗だが、部屋に戻ると間淵の死体は消えていた。桔梗はたまたま知り合ったミステリー記者の鶴巻啓子(団令子)、車泥棒の大友ビル(砂塚秀夫)と共に、桔梗を狙う「審議会」の刺客達と対決することとなる。一方、ブルッケンマイヤーの言動に不審を抱いた溝呂木は彼を拷問し、目的が桔梗1人であること、その背景には大戦中に紛失したダイヤモンド「クレオパトラの涙」が絡んでいることを探り出す。命を狙われる桔梗は幸運に恵まれて次々刺客を返り討ちにするが、啓子が溝呂木に捕らわれてしまう。啓子を救出する決意を固め、命懸けの闘いをする桔梗とビル。その桔梗の前に遂に溝呂木が現れ、驚くべき事実を告げる。8歳の頃、少年使節としてナチスの支配するドイツへ渡った桔梗は、滞在中に負傷した肩にダイヤを縫い込まれていたのだ。啓子が捕らわれる病院に同行した桔梗は、溝呂木との一対一の決闘に挑む。