上州取手宿のある賭場、潮来の伊太郎は美貌の女お加代とのさしの勝負に着物からドスまでまきあげられすってんてん、丸裸にされてしまった。折も折、草鞋をぬいでいた松戸一家から喧嘩の知らせがあってそのまま飛び出した。棒切れを振り廻して苦戦を続ける伊太郎に横合いからお加代はさやぐるみ長どすを投げこんだ。勇躍斬りまくる伊太郎。そこに現われたのが敵の用心棒金平金九郎、彼は武士だけに相当の腕前だったが突然持病のさしこみに苦しむ。条件が等しい時改めて勝負しようという伊太郎に金九郎はすっかり惚れこんでしまった。翌朝、伊太郎、お加代、金九郎の三人はお互いに心ひかれながらも三人三様に旅に出て行った。それから一年、潮来の料亭の女中になっているお加代は、伊太郎を恋いこがれていたが、伊太郎はその頃、関宿の久兵衛の家に草鞋をぬいでいた。久兵衛の妹おみねはひそかに伊太郎を慕っているが、伊太郎はお加代恋しさに潮来へ旅立って行くのだった。彼の発った後、久兵衛は縄張りを拡げようとする手賀沼の勘六一家に袋だたきにされた。佐原神社の祭礼に出張って来た島村の源五郎は、おみねを妾によこすなら力をかそうと持ちかけて来た。そんなところへ、お加代と行き違いになった伊太郎が帰って来た。伊太郎は大親分笹川の繁蔵の名を使って源五郎を計略に乗せようとした。がちょうどその時、繁蔵親分が佐原の祭礼に到着、化けの皮がはがれて繁蔵の前につき出されてしまった。度胸を決めた伊太郎はすっかり話をぶちまけ、三日間だけ自由の体にしてくれと繁蔵に頼んだ。源五郎の用心棒になっていた金九郎は伊太郎の身代りとなって待つことを買って出た。関宿に駆けつけた伊太郎は、勘六一家を叩き伏せ縄張りを返すことを約束させて引き返した。しかし、源五郎は伊太郎を途中に待ち伏せ崖から追い落した。そして源五郎は約束の時間だからといって金九郎を河原に引き出した。危機一発のところへおみねに助けられた伊太郎が飛びこんで来た。伊太郎の話すからくりに金九郎も激怒、二人の刃は源五郎一家を残らず斬り倒していった。翌朝、駆けつけて来たお加代は、伊太郎と二人去っていった。見送る金九郎、おみね。その姿にかぶさるように川千鳥の新助が歌う「潮来笠」がかぶさっていくのだった。