京都に住む大学教授の戸田とゆう子夫婦は、二回りも年が違うがとても仲がいい。ある日、夫の用事で出版社の町田と会うために上京したゆう子は、とあるブディックで何かに憑かれたように万引をしてしまう。店員に見つかったゆう子は、東京に住むかつての同級生、邦子の住所と名前を言ってしまう。数日後、邦子から脅しの電話が入り、夫が北陸に講師として出張する火曜日に上京することを命じられた。邦子は館と呼ばれる高級娼婦館へ強引に連れて行った。美しく貞淑な人妻のゆう子に嫉妬する邦子は、彼女を堕とすことを計画していた。品のいい紳士がゆう子を指命すると、抵抗する彼女を無理矢理に犯した。呆然とするゆう子は、京都に戻っても、館のことが忘れられず、夫との交りにも異常に興奮してしまう。ゆう子は、火曜日のたびに上京するようになった。“火曜日の女”と客の評判となったゆう子は娼婦の生活に酔った。一方、明るくなったゆう子に不審を抱く戸田は興信所に行動を探らせるが、報告書は読まず、変貌した彼女との性生活を楽しんだ。また、ゆう子に好意を寄せる町田は、彼女が館で評判の女らしいと友人に聞き、嗜虐的な感情が湧き、京都の戸田に“火曜日の女”と遊ばないかと誘う。上京した戸田は館を訪れ、そこでゆう子と対面した。怒りがこみあげた戸田はゆう子をズタズタに打ちのめし、犯すが、やがてお互いに理解し合うかのように微笑を交わした。外で待っていた町田に、戸田は、「女は妻ではなかった」と話す。次の火曜日、町田は館を訪ね、“火曜日の女”を指命するが、女はもう辞めてしまったという。京都では、戸田夫婦がなにもなかったかのように生活していた。