人気作家、有楢川珠子は十五歳のとき、天才少女と騒がれてデビューした。湘南の海辺のコテージで仕事をする珠子は、二十歳の誕生日を控え、少し執筆に行きづまっている。編集者のまき子たち仲間が花火で元気づけようとするが気持ちが晴れず、珠子は夜の六本木に車を飛ばした。外国人コール・ガールのボディガードを気取る中井は兄貴分の滝口から電話が入り、すぐに来いと言われる。山西組の幹部ではる滝口は二代目組長と目されており、組織に属さない中井を可愛がっていた。中井が呼ばれた部屋に入っていくと、銃で腕を撃たれた滝口がおり、奥には射殺された組長の死体が転っていた。滝口は、取引きが揉めてと言い、銃の詰ったバッグを預っといてくれと中井に頼む。滝口は組織の大ボス、吉本に呼ばれ、車の中で話した。滝口は組長の女が殺ったと話し、水玉の上着に、白いパンツの女と、車窓から見える通行人のカッコを適当に喋った。水玉のシャツに白いパンツの珠子は混雑する歩道で中井とぶつかり突き飛ばされた。怒った珠子は中井に張手を叩きつける。中井は珠子をタケシのやるゲイバーに連れ込んだ。そこへ、あきらかにギャングと分る黒服の二人組の男が、珠子に迫ってきた。中井と珠子は夜の六本木を逃げまくる。二人は何故だか分らなかった。チンピラ風の男が、組長を殺ったのはお前だと、中井を刺した。その頃、滝口はデタラメな服の女を伝えたはずなのに、その服を着た女と中井が逃げていると聞いて驚いていた。珠子は傷ついた中井を車に乗せると、コテージに帰った。警察に知らせないでくれという中井に従い、珠子は医学書を読み、自分で治療した。夜の街を漂うはぐれ者とインテリ女という奇妙な取り合せの二人は、次第に惹かれていく。中井は仲のいい娼婦のひろみにあのバックを持って来るように言った。彼女はあの晩、組長と寝た女だった。中井は滝口に電話をすると、手切金として銃はもらう、もう二度と会わないと話した。滝口は、電話から聞こえる選挙カーの声で、中井の居所が分った。その晩、二人が夕食を摂っていると、銃弾が窓を砕いた。滝口は組長を殺して二代目になろうとしたのだが、事態が意外な方向に進み、二人を消そうとしていた。そして、あの銃には覚醒剤も隠されていた。中井と珠子は、花火で浜を明るくし、敵を倒した。滝口は夜明けとともに、コテージを攻めようとした。珠子は部屋の隙間にガムテープを張り、ガスの栓を開いた。二人は地下のガレージに隠れた。滝口がドアを開くと、缶が倒れた。そこへ滝口が引き金を引くと、コテージはガス爆発でフッ飛んでしまった。地下から元気な二人が出てきた。