慎也は単身赴任先の派遣社員・葵と不倫中。今では真剣に妻と別れることを考えている。今日は以前から楽しみにしていたピクニック。家の近所にある見晴らしが良いだけの公園だったが、そんな些細な事でも喜ぶ葵に、愛しさが募るばかりの慎也。翌日。結婚記念日だった事もあり、妻の絵美が訪ねて来た。全てを見透かすかのような彼女の態度に、慎也は潮時を感じ、離婚を切り出すが、当然受け入れてもらえなかった。葵の素性を知った絵美が彼女のアパートに押し掛ける。しかし、そこは暫く人が戻っていない事を示すように、ポストから乱雑に郵便物がはみ出していた。葵が忽然と姿を消してから一年が過ぎた。彼女を探し続ける慎也の元に、女探偵・杏子が有力な手掛かりを入手したと報告に来る。手渡された一枚の写真には、街中の監視カメラが捕えた、謎の男と歩く葵の姿があった。杏子はおもむろに、都市伝説の中に失踪者が月の裏側で王国を作り、そこで生活しているという噂話を口にした。慎也は馬鹿げた話だと激怒する。仕事帰り、慎也は泥酔した若い女とぶつかる。葵と瓜二つの彼女に、驚きと再会の喜びをあふれさせ、連れ帰り介抱する。やがて目覚めた彼女は早希と名乗り別人だと主張した。翌日から慎也は彼女の見張りをはじめる…