映画評論家でドキュメンタリー映画作家でもある田中千世子監督が、世界遺産の地・和歌山県熊野地方を舞台に手がける「熊野から」シリーズ3部作の完結編。セミドキュメンタリー形式で描かれた第1作「熊野から」、物語性のある劇映画として製作された第2作「熊野から ロマネスク」に続く今作は、再びセミドキュメンタリー形式となり、熊野地方の中心的な都市である新宮市にフォーカス。シリーズおなじみの登場人物である俳優兼エッセイストの海部剛史と担当編集者のサキが、取材のために現地を訪れたという設定のもと、2人の取材旅行を通して、新宮市の精神風土や文化的背景をひも解いていく。