竹野内豊41歳。今、一から演技と向き合うモデルから出発し、「星の金貨」、「ロングバケーション」、『冷静と情熱のあいだ』などのドラマ、映画でブレイクして以来、幅広い役柄に挑戦し実績を積み重ねてきた竹野内豊。2011年に公開された映画『太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男』ではブル ーリボン賞を受賞。40代を迎え、ますます演技の幅を広げ、役者としてさらなる高みを目指している。その竹野内が7月、単身ニューヨークに渡り、現地の演技コーチのもとでプライベートレッスンを受けた。コーチは、数々のハリウッドスターを指導してきたロベルタ・ウォラック。彼女自身、女優としての30年にも及ぶキャリアの中で、ポール・ニューマン、アル・パチーノ、ハーベイ・カイテルら名だたる名優と共演しており、厳しい指導でも知られる。レッスン内容は、演技に必要なテクニックや心の解放、五感のトレーニングなど。一から演技を学ぶ新人だけでなく、マーロン・ブランド、ロバート・デ・ニーロ、ニコール・キッドマンら、映画撮影を控えた一流スターが役作りのために実践する演技メソッドである。40代。自分の俳優としての原点は何か、そしてこれからの人生を見据えて何を目指していくのか。自分自身を見つめるため、竹野内は、これまでの演技手法をすべて否定されるかもしれない厳しいレッスンに身を投じ、演技と、そして自分自身の内面と真摯に向き合う。その中で、どんな表情を見せ、どんな本音を語るのか。その一部始終に密着する。★前編ロベルタ・ウォラックのレッスンがスタートするや、情熱的でエネルギッシュな指導に戸惑いを隠せない竹野内。ハリウッド・デビューを控える新人女優とともに、演技メソッドの基礎を叩き込まれ、徐々にレッスンにのめり込んでいく過程で、今まで誰にも言われたことがなかった弱点をズバリと指摘される。初めてのレッスンという未体験の連続の中で、情熱のすべてをぶつけ、過去の自分自身と向き合う竹野内豊。デビューから今日まで、そしてこれからの自分を見つめる姿は必見だ。カメラの存在を忘れていく竹野内基礎メソッドからさらに上級メソッドへと、ロベルタ・ウォラックから竹野内豊への指導は熱を帯びる。アカデミー賞名誉賞を受賞した俳優イーライ・ウォラックの表敬を受けたり、映画『ハリー・ポッター』シリーズの主演、ダニエル・ラドクリフや、古くは『アウトサイダー』でトム・クルーズなどを見出してきたハリウッド屈指のキャスティング・ディレクター、ジェーン・ジェンキンスに演技を披露する機会も訪れる。竹野内が、ロベルタの激しい指導の中、カメラの存在も忘れ、自分をさらけ出していく姿は衝撃的で感動すら覚える。