没後37年を経てもなお、世界中で読み継がれる日本を代表する作家川端康成。その文豪珠玉の掌編が122も詰まった名作「掌の小説」の下に、気鋭の若手監督4人が結集。新しい形のオムニバス映画がここに誕生した。[あらすじ]■第1話『笑わぬ男』あるアパートに暮らす作家とその妻。病弱の妻は夜毎「足がさびしい」と嘆き、足を触るよう夫にせがむ。■第2話『有難う』ある夏の夜、私娼の菊子は、かつて自分がこの街に売られてきた日のことを思い出す。「ありがとさん」と村で呼ばれていた青年の運転するバスに乗った春の日のことを。■第3話『日本人アンナ』(私)は雑踏でロシア人少女に財布を掏られる。彼女の常宿を突き止めた(私)は彼女の隣部屋に通う。毎晩、襖の隙間から彼女を覗くうち、(私)は彼女に魅せられていく。■第4話『不死』若くして自死した恋人との思い出の木の下で、来る日も来る日も凧を揚げている老人。ある日、老人の前に若い頃のままの姿の恋人が現れる。