反骨の報道写真家 福島菊次郎、90歳。そのキャリアは敗戦直後、ヒロシマでの撮影に始まり66年になる。ピカドン、三里塚闘争、安保、東大安田講堂、祝島――。激動の戦後・日本にレンズを向けてきた。真実を伝えるためには手段を選ばない。自衛隊内部に潜入取材して隠し撮り。その写真を発表後、暴漢に襲われ家を放火される。それでもシャッターを切り続けた。これまでに撮影された25万枚以上の写真を前に菊次郎は言う。「日本全体が嘘っぱちの嘘っぱち」と。年金を一切拒否し、現在は相棒犬・ロクと気ままな二人暮らし。バイクを転がし補聴器の注文へ。穏やかな生活の中、自らがこの国に投げかけ続けた「疑問」を、今を生きる我々日本人に「遺言」として伝えはじめた時、東日本大震災が発生。福島第一原発事故を受け、菊次郎は真実を求め最後の現場に向かうのだった・・・。ヒロシマからフクシマへ。権力と戦い続けた老いた写真家は、今ここで「日本の伝説」となる。ニッポンの嘘、そして真実とは何か?是非スクリーンで目撃してください。