県境の山林で白骨死体が見つかった。事件を担当する刑事の東出(石橋凌)は、捜査中に倒れた班長の村瀬(伊武雅刀)の代理に任命される。しかし、東出の昇進に同期の石上(隆大介)のライバル意識がむき出しに…。「県境の山林で白骨死体が見つかった。死後かなりの時間が経過しており捜査は難航を極めることが予想された。この事件を担当する捜査課三班の東出(石橋凌)は、捜査中に脳梗塞で倒れた班長・村瀬(伊武雅刀)に替わって班長代理に任命される。しかし三班内部では東出が先に昇進したことで同期の石上(隆大介)が強烈なライバル意識を剥き出しにしており、チームワークはバラバラだった。石上が命令を無視して独自の調査をするなど、この最悪な捜査の進行状況に東出は頭を悩ませる。そんな折り、東出は死体遺棄現場で村瀬が言った言葉を思い出す。村瀬は捜査課の誰もが一目置く勘の持ち主であり、三班は村瀬の直感を基に幾多の難事件を解決していた。その村瀬の言葉を頼りに、東出は捜査対象を暴力団関係者に絞り込むよう指示する。程なくして早野という人物が捜査線上に挙がった。村瀬の代役という重圧と石上に対する優位意識から、東出は十分な証拠もないまま早野の身柄確保を強行しようとする。暴力団対策課と連携して早野を張り込むが、マンションの自室にいるはずの早野の姿は忽然と消えていた。どうやって張り込みをかいくぐって「密室」だったはずのマンションから逃走したのか。焦燥感に駈られる東出を追いつめるかのように、幹部捜査会議という名目の「責任者探し」が始まる。重苦しい時間ばかりが過ぎていくそんな時、脳梗塞で入院中だったはずの村瀬が現れた。村瀬は東出に「密室に抜け穴を作らせればいい。」とつぶやく。はたしてその発言の真意とは…。