圣米列特的鸟巢

奇妙な子連れ女性に出会って自分まで殺されるという、まるで発作とも言うべき悪夢に悩まされ、精神科へと通い詰めの英国軍人、レスリー。発作が起きればたちまち背中から大出血を起こしてしまう。列車で寝ている最中にもそれは起き、偶然居合わせたBJによって応急処置が施される。詳しく診察し、自分の目を疑うBJ。彼の体には、過去に手術を受けた痕が残っていたが、それは今まで見たことのない、芸術とも言えるほど素晴らしい技術によるものだった。レスリーから事情を聞き、BJはレスリーを治療した医者を捜すという名目で、彼の根本治療に取り組むことにした。夢に現われる女性の歌っている歌詞を頼りに、やってきたのはエルガニア共和国サンメリーダ村。未だに戦争の痕を色濃く残すこの村では、食料ですら未だ配給制という状況であった。だが、名を聞いたことすらないはずのこの村に着くやいなや、突然涙を流しながら懐かしむレスリー。背中の傷に隠された過去の出来事と真実とは…？