10年ぶりに南米から帰国した老人、榊隆之は、大財閥の御曹司である海棠泰隆に会いに行く。2人は異母兄弟で、かつて泰隆の妻、志津子を奪い合った宿命のライバルである。 少年時代から50年に及ぶ対決に決着をつけようと、胸に拳銃をしのばせる隆之の脳裏に、これまで愛してきた女たちの姿が浮かぶ。ともに家庭を持った千恵、激しく燃えた森下真実。だがずっと愛し続けたのは志津子。そして、人を愛すれば愛するほど、自分も周りも不幸になっていく隆之だった。 生涯にわたり一人の女性を取り合う。だた単なる三角関係ではなく、波瀾万丈の展開を見せる筋書きで善悪では割り切れない複雑な人間模様を描いており、この時代のドラマとしては大変珍しい作品である。 東京と神戸を舞台にした長編メロドラマ。第一回がドラマ全体のラストシーンから始まるという大胆な手法でスタートする。