浅見光彦(沢村一樹)は、母・雪江(加藤治子)と急遽、広島へ行くことになった。知り合いの美也子(菊池裕子)が何者かに殺害されたのだ。美也子は10年前に失われた記憶を取り戻すため、かつて旅行したルートを辿っていた。10年前に“後鳥羽法皇の伝説を辿る旅”と銘打って友人と旅行をした際、土砂崩れの事故に遭って友人を亡くした美也子は、その時のショックで記憶が一時なくなっていたのだ。広島に着いた光彦は、事件を調べている野上刑事(佐藤B作)と出会う。最初は光彦を不審に思う野上だが、的を射た光彦の推理にいつしか協力するようになっていく。実は、光彦がこの事件に執着するのには理由があった。10年前、美也子と旅行中に事故に遭い、亡くなった友人というのが光彦の妹・祐子(林美穂)だったからだ。一方、地元警察ではエリート警部・桐山道夫(羽場裕一)を筆頭に捜査本部が置かれ、美也子殺害事件の本格的な調査が始まる。捜査線上に浮上してきた人物が次々と殺害されていく中、光彦はある推理をする。“今回の事件は妹・祐子の事故死と関係がある…”と。そして、光彦自身も知らなかった祐子の事故の新事実が明らかになる。